地域おこし協力隊として市原へやってきた、白石伸幸さん(しらいし・のぶゆきさん、以下、白石さん)。「市原のガウディになる」と笑う白石さんは、周囲の助けも借りながら、ごく普通の一軒家のほぼ全てをDIYで変化させ続けています。
今回はそんな、自身もサイクリストである白石さんのこだわりが詰まった自転車を愛する人たちでにぎわうカフェ兼サイクルスポット「OIKAZE」をご紹介します。
取材日 2021.10.21/文 Mizuno Atsumi
「OIKAZE」は、「ここがカフェ…?」と、ちょっと不安になるほど、一見普通の一軒家。
ですが、一歩建物の中へ足を踏み入れると目に入るのは、広々としたカフェスペース。白石さんいわく、まだまだ未完成で、家の裏手や、出窓を利用したテイクアウトスペースなど、手を入れていきたいところがたくさんあるんだとか。
地元の方や、サイクリストの集まる場、自転車の魅力を発信するサイクルスポットとしてつくられた「OIKAZE」は、自転車に特化した工夫がさまざまなところに施されています。
そのひとつが、コンクリート敷きの床。これがあることで、自転車をカフェ内にそのまま持ち込むことができるんです!
こだわりが詰まった自転車は、ちょっとした車が買えるほど、高価なものも。カフェの中へ持ち込むことができれば、盗難の心配をすることもなく、カフェでゆっくりと過ごすことができます。
それだけではなく、自慢の自転車を眺めながらコーヒーを楽しむのは、サイクリストにとって至福のひとときなんだそう。それぞれのこだわりが詰まった自転車がカフェの中にあることで、お互いの自転車を前に、初対面のサイクリスト同士で自転車談義が盛り上がることもよくあるんだとか!自転車好きには、なんともたまらない空間です。
また、カフェのスペースだけでなく、フードやドリンクにもサイクリストらしい気遣いや遊び心が隠されています。
たとえば、カロリーが必要になるサイクリスト向けの高カロリーメニューもそのひとつ!地元の和菓子屋さんから仕入れたあんこや、ソーセージ屋さんから仕入れたベーコン、自作のリコッタチーズなど、こだわりが詰まったホットサンドメニューを開発しています。
コーヒーは、市原を中心に活動するフリーのコーヒー屋さんと一つずつ焙煎具合などを細かく調整しながらつくっています。それぞれ自転車にちなんだブレンドをつくり、サイクリストなら誰でもイメージが湧いてくるような名前を考え中なんだとか。
お兄さんから、たまたま自転車を譲り受けたことからその魅力にハマり、実家のあった千葉県を中心に自転車で走り回っていた白石さん。その中で、「サイクリストが集まれるような場所があればいいなぁ」と思っていたのをかたちにしたのが、「OIKAZE」でした。
白石さん 自転車で走りながら、『どんな場所だったら、サイクリストの人は嬉しいだろう…?』というのを考えてました(笑)
「OIKAZE」という店名も、自転車に乗りながら思いついて。これから追い風になって市原を盛り上げるぞ!っていう意味にもなるし、ちょうどいいなってしっくりきて。
今後は、自転車に乗らない人にも自転車の魅力を伝えたり、ここに来てくれたサイクリストの人たちに、自転車で走ると楽しいルートを伝えたりしていきたいと思っています。
今後、自転車のイベントを開催したり、自転車の認知度を上げる仕掛けをつくっていきたいと意気込む白石さん。
自転車に乗る人も、乗らない人も、「OIKAZE」を訪れて白石さんのオススメスポットを聞いてみてはいかがでしょうか?
車で通り過ぎるだけでは出会えない、市原の隠れた魅力を発見できるかもしれません!