どこか懐かしい風情を残す小湊鉄道の駅。そんな駅の一つである牛久上総を訪れると、ふわっとコーヒーの香りが漂います。芳ばしい香りの先にあるのは、駅舎の片隅にお店を構える小さなカフェ。今回ご紹介するのは、そんなまちへの出入り口に位置するテイクアウト専門のカフェ「#牛久にカフェを作りたいんだ」です! 取材日2021.06.09/文・写真 Atsumi Mizuno
住所 | 千葉県市原市牛久897-2(牛久上総駅) |
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営業時間 | 火~金:7:30~10:30, 13:00~16:00
土日祝:10:00~16:00 |
定休日 | 月曜日 |
SNS | インスタグラム |
「#牛久にカフェを作りたいんだ」のコンセプトは、“上総牛久のまちを、まるごとカフェにして しまおう!”。そのため、カフェに座席はなくテイクアウト専門。上総牛久を小湊鉄道で訪れたお客さんに、コーヒーを片手に商店街へふらっと繰り出してもらうためのユニークな仕掛けになっています。
「#牛久にカフェを作りたいんだ」では、商店街の美味しいものをお客さんに楽しんでもらえるよう、商店街から仕入れたもの以外はフードメニューを置かないようにしているんだそう。また、商店街に3軒もある和菓子屋さんの和菓子と合わせてコーヒーを楽しんでもらえるよう“あんこに合うコーヒー”を地元の焙煎屋さんにリクエストして仕入れています。
もともと、古くから続く商店が軒を連ね、地域の人たちの日常生活に欠かせない場だった牛久商店街。ですが、スーパーや商業施設の進出、後継者の問題などの影響で、少しずつシャッターが閉まったままのお店が増えていきました。
そんななか、商店街を盛り上げようと始まったのが、“牛久商店街まるごとお盆に詰めて乗り込みます”を合言葉に、首から下げたお盆に商店街の品物を詰め込み、トロッコ列車(小湊鉄道の観光列車)の待つホームに乗り込む「出張牛久商店街」。
そんなプロジェクトをきっかけに、今度は、“電車に乗ってきたお客さんを商店街へ呼び込もう!”という声が上がり始め、クラウドファンディングによる「#牛久にカフェを作りたいんだ」の立ち上げにつながっていったんだそうです。
高橋さん カフェの開店前から常連さんをつくろうと、クラウドファンディングのリターンとして作ったコーヒーチケットの半分以上は、商店街の方や近所の方に一つ一つ手渡しして地道に買ってもらいました。そんなふうに、みんなに応援してもらいながら開店した矢先に緊急事態宣言が発令されて…
観光客をカフェのお客さんとして見込んでいたのに、お客さんはまさかのゼロ。開店一週間で閉店!?と、その時はさすがに焦りました(笑)
カフェ発起人の一人である高橋洋介さんは、笑います。
高橋さん でもそんな時、毎日コーヒーを買いに来てカフェを助けてくれたのは、商店街の人たちなんです。商店街を盛り上げようとはじめたカフェなのに、結果的に商店街の人たちに助けられた(笑)
めちゃくちゃありがたいです。
今でも、平日は商店街の人たちが来てくれなければ、売り上げなんてありません。外から訪れる人に向くのではなく、地域の暮らしの一部であること。そんな見落とされがちなことが大切なんだということは、とても大きな学びでした。
今後は、商店街にお店を呼び戻していきたいと語る高橋さん。商店街への入口「#牛久にカフェを作りたいんだ」を訪れ、買ったコーヒーを片手に進化する商店街へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
ぜひ“まちをまるごと”、楽しみに来てください!